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愛知県に住む高校の家庭科の教師です。
先日生徒から塩について質問を受けました。学生の間ではいま食べ物の漫画が流行しています。その中で塩に関する記述がありミネラルが並塩で0.55% 伯方の塩で3.52%沖縄の塩で6.11%満潮の塩で10.10%もありその分析表には宮崎県の分析センターでの分析結果と書いてありました。出版社は最大手の小学館です。「焼きたてじゃぱん」という漫画です。細かいデーター表示はありません。
実は数年前に岐阜市消費者センターが主催した「塩の上手な摂りかた」で講師の先生が「市販の塩の品質」を抜粋したもので説明されたのは「今一番ニガリ分が多いのは「粟国の塩で8%強で、ミネラル分は2.2%と言われていました。ニガリ分はCaCl2とMgSO4とMgCl2とKClを言い、CaSO4は石膏でニガリとは呼びません。またミネラル分とはCaとMgとKを言います。しかしCaは自然塩からは摂取できないのでミネラル分に勘定するのはおかしい。またSO4はミネラルの定義からすると外れるとも言われていました。ミネラルとはMg+K+微量ミネラル+(イオン交換膜塩のみCaの一部)と説明されていました。また塩には業界の安全な自主規格があるが、家庭向けの塩には規格がないので不安があるといわれていました。
でもこの漫画では県立の分析データーの数字です。これについて説明をしてください。
またこのとき塩事業センターのホームページをみていると「市販の食塩の品質2」がありました。
アダンの夢黒潮海塩には鉄分が29mg含まれ海水と比較すると960,000 倍、海水を塩にしと時と比較すると32300倍になります?
セルマランドブルタニュー(ゲランド塩顆粒)の鉄分は143mgあり海水と比較すると 4,700,000倍になり、海水を塩にしたき159,000倍になりますが、私の計算違いかそれともデーターが違うのか!市販の塩にはどうも重金属が多いのが多いようです。
このような塩が販売されていますが安全性はどうなのですか!法律違反にならないのですか。教えてください。お願いします! |
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1)ミネラルをどのように定義するか問題ですが、結合計算のナトリウム以外の塩類の総計と考えても伯方の塩、沖縄の塩のミネラルは桁違いに大きく間違いです。小学館にはとりあえずこれらの塩のミネラルは1%以上にはならないこと。面白くするために実在の商品についてうその情報を流すことは、消費者にもメーカーにも大変迷惑であることを小学館編集部宛にメールしました。マスコミは面白くするためにうそ情報を無責任に垂れ流すので困ります。
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MgCl2 |
CaCl2 |
MgSO4 |
KCl |
にがり分 |
CaSO4 |
NaCl
以外計 |
並塩 |
0.33 |
0.13 |
0 |
0.21 |
0.67 |
0.04 |
0.71 |
伯方の塩 |
0.1 |
0 |
0.24 |
0.05 |
0.39 |
0.24 |
0.63 |
沖縄の塩 |
0.18 |
0 |
0.17 |
0.055 |
0.405 |
0.37 |
0.775 |
2) 岐阜市消費者センターの説明は正しいものです。非常に厳密な説明をしておられて感心しました。多くの説明が広告宣伝の内容の誤りに気づきながら遠慮して言及しない方が多い中で遠慮せずに正しいことを言っていると思います。
3) 鉄分が非常に多い塩があるのは昔からのことです。多くは、煮詰め段階で使う釜の腐食によるものですが、塩田などで使う鉄器具の錆びも多く入ります。海水自体にも沿岸域では都市や沿岸構造物から錆として溶け出したものがコロイド状になり非常に鉄が多くなっています。海水の一般分析では0.45μのメンブランフィルターでろ過して分析するので大部分のコロイド粒子は除かれてしまいます。膜濃縮を行ってせんごうした塩、海水をろ過して耐食性材料で作った釜で炊いた塩では重金属類は非常に小さな数値となります。なお、外国の岩塩や天日塩には鉄以外の注意を要する重金属類が含まれる例がしばしばあります。
塩の安全性から考えたとき、特に海洋汚染に関する物質について天日塩では注意が必要です。例えば有機塩化物、残留農薬、石油関連物質などなど、は天日塩田ではそのまま濃縮されてきますから、問題になります。例えば、アメリカの食品GMPでは加工食品の加工に天日塩の使用を制限していますし、韓国でも法律で使用を禁じています。日本は塩についての安全性ルールがなく、今後の整備が必要ですが、財務省、厚労省などではあまり関心がないのではないかと懸念しています。 |
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