質問一覧
塩は不要か
自然塩は禁止
塩は安全か
安い塩は不安
塩が溶けた
塩味の差は何か
昔の回答の記録
盛り塩
中国天然塩
膜濃縮の仕組み
造粒塩
塩の吸湿
海域による塩の味の差
塩の色
熊本の塩田
おいしい焼肉用の塩
塩の記念日の由来
水道水減菌処理用
塩中の臭素
臭素を減らす方法
製塩はいつ頃から
始まったのか
塩の表示に関する指針
クロアチアの塩田
漫画「焼きたてジャパン」の塩
|
 |
 |
 |
よく"海水のミネラル成分を抽出"とありますが、あれは、どの様に行うのですか?
要は、海水中よりNaclを除けばよい と思うのですが、大学、化学科出身と言う事もあり、昔の教科書など参照してみたのですが、膜浸透法では、イオン全て通してしまうので分離は無理と思うのですが、Na塩を沈殿させる、もしくは、電気分解などを使うのでしょうか? |
 |
 |
|
|
1. どのようにして塩分は動くか
ホームページ「日本の塩」の「日本の塩の作り方」に書かれている「膜透析による海水濃縮の原理」を参照してください。正電荷をもった膜と負電荷をもった膜が対になって組み合わされています。正電荷をもった膜は塩化物などの陰イオンを、負電荷をもった膜はナトリウムなどの陽イオンを透過します。対になった膜の間には塩分だけが透過されて濃い海水ができます。原理的には海水中のすべてのイオンが通ります。ご質問の通りです。水のイオンHとOHは解離度が低いので電気的には動かず、むしろ他のイオンの水和や浸透圧差によって移動します。
2. 食塩を多く透過するようにする工夫
製塩用の海水濃縮膜は、10オングストロームくらいのイオンが通過する細孔を通して塩分が通過しますから、イオン径、分子径の大きい物は通過しません。
さらにイオン間の分離を詳細に説明すると、正電荷膜の表面に弱い負電荷膜を作ると、多価の負イオンイオンは反発力が強くなり正電荷膜に輸送されるイオン量が減少しますから多価の負イオンの膜透過量が減少させることができます。この表面の反対電荷の薄膜によって、苦汁分やスケール成分などの透過量を調節して塩分の組成を調節することができます。 |
|
|
 |