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愛知万博のクロアチア会場で塩田を紹介していますが一風変わった紹介なのでお尋ねします。
1. 塩田が最初に作られたのはどこで、いつごろのことだったのでしょうか。
2. 塩田から塩を作るには、一般的にどれぐらいの日数がかかるものなのでしょうか 。
3. 世界では(日本を含めて)塩田から製塩する手法はもはや余り行われていないのでしょうか。やはり、時間がかかるため、化学的に作り出す手法が一般的なのでしょうか。
4.例えば栄養素が高いなど、塩田から製塩することの利点はあるのでしょうか。
5.製塩業が栄えるための要件は、海があること以外に何かあるのでしょうか。 |
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1.塩田が最初に作られた時期は分かりません。恐らく文字に記録された歴史が始まる前のことでしょう。クロアチア周辺では紀元前1世紀に書かれたギリシャ古代史の中にバルカン半島北西部で永年塩田の領有をめぐり都市国家間の争いがあったことが記されている。(ピエールラズロ、塩の博物誌)
2.天日塩田で結晶を作るまで濃縮する場合、雨期と乾季がある地域では8ヶ月程度になります。砂漠性気候では2年くらいかけるのが普通でしょう。雨季と乾季がある短期間の結晶では結晶が柔らかく、泥などの不純物が入りやすい傾向があります。かっての日本の塩田は降雨が多くて結晶化まではできないため、1〜2日で濃塩水をとり、後は釜で炊いて塩を取りました。世界的に見ると極めて特殊な方法です。
3.世界的に見たとき、塩需要の1/3が天日塩田です。2/3は岩塩です。化学的に作られる方法は世界で行われるのはごみ処理場とか化学工場の副産物くらいで食用にされることはありません。日本で行われている膜濃縮は分子ふるいであり海水の塩分を篩い分けする方法ですから化学的に作られるものではありません。膜濃縮は安全性が
優れていることから食用専門といえるもので、日本、韓国、台湾などで行われていますが、全部で160万トンくらいですから、世界的に見れば工業用を含めた全量2億トン、食用3000万トンの中のごく少量ということになるでしょう。
4.食用とする場合の塩田の利点は特にありません。天日塩を食用に使用することは衛生上の視点から禁止または制限している国もあります。塩田の利点は、価格が安く、燃料を使わない、沿岸砂漠などの不毛の地を有効利用できる、などの利点があります。
5.製塩業が栄える要件は海があることではありません。天日塩田の場合の要件としては、砂漠性の気候であること、極めて安価に平坦で広大な土地が得られること、大水深の港湾設備が建設可能であること、耐水性地盤の建設が可能なこと、大消費地に近いこと、などが挙げられるでしょう。 |
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