製法と原料による塩の分類
「あらしお」の話
(2010記載)
「フレーク塩」の話
(2010記載)
「焼塩」の話
(2010記載)
「藻塩」の話
「自然塩」の話
(2010記載)
「ミネラル塩」の話
(2010記載)
「化学塩」の話
(2010記載)
市販の塩の種類
「あらしお」の話 (旧原稿)
自然塩の話 (旧原稿)
岩塩の話
天日塩の話
生活用塩とは
深層海水塩
塩の添加物 |
(2010記載)
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業界が宣伝用に作った言葉です。昭和50年代主として当時の専売塩に対抗して作られた言葉で、伯方の塩、天塩、シママース、などが自然塩普及会などの活動を通じてイオン膜立釜法以外の塩の宣伝に広く使って広がりました。言葉の感触のよさとともに熱心な活動で自然塩という言葉の認知度も高くなり、価格もイオン膜の大量生産の塩の数10倍で売られるものも出て、多くの企業が自然塩市場に参入し、多くの料理研究家がレシピなどで自然塩という言葉に賛同して、自然塩と称するものを使うとあたかもおいしい料理ができるかのような書き方をするなどの現象が現れて、戦略としては大成功しました。この成功に相乗りして儲けたい人もたくさん出てきて、思い切った宣伝活動をするところもでてきました。自然塩と書くことで、昔からある本物の塩で、体に良さそう、おいしそう、と消費者に思わせることは「思わせぶり表示」であるとして消費者調査でも多くの苦情が寄せられる事態となり、公正取引委員会、東京都などから自然、天然は使うべきではないという勧告を受ける羽目になりました。同様のことは他の食品にも起こっており、自然、天然は食品表示には使わないことが次第にルール化される傾向にあったこともあり、食用塩公正取引協議会では業界内で議論し自然塩、天然塩については今後表示には使わないことを合意し、食用塩公正競争規約にも書かれて官報に告示されました。自然塩、天然塩という言葉は実質的に追放処分になったのです。
塩には人工の手を加えないで、自然のままの地球に存在するいわゆる天然物としての塩があります。例えば、掘り出した岩塩や湖塩などは天然物としての塩であり、天然の塩といってもよいはずですが、天然塩、自然塩の言葉自体に前科が付いてしまった格好になってしまいました。(注:なお、塩田や煮詰め等の工程を経たものは人工の手を加えたものであり天然物とはいわないと思います)
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