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編者のひとり言 編者のひとり言
1.よい塩とは何か
 今回、塩の情報室に「ユーザーのための塩学入門」シリーズを転載した。その4に「塩をどう選ぶか」を書いたが、結局よい塩とはなんだろうか。私は次のような視点で、よい塩と悪い塩を判別したい。

(1) 用途に適した塩:それぞれの用途に適した塩がある。よい塩とはある特定のものではなく、用途にあった塩をいう。塩は使い方を工夫すれば広く使えるが、何にでも最適という塩はない。
(2) 安全な塩:塩は最も安全性の高い食品で、腐敗などの心配もない。しかし安心して使うためには、海水の汚染を受けず、細菌などの繁殖がなく、衛生的環境で作られる塩でなくてはならない。安全性に対する検査態勢、規格基準なども明確でないといけない。すなわち食品としての安全保障ができてなければいけない。
(3) )品質、供給が安定した塩:ロット毎に品質が違ったり、供給体制が不安定な塩は、商 品としてよい塩といえない。安心して使うためには一定品質の塩が欲しいときに安定して供給されることが大切である。
(4) 適正な表示が守られている塩:過大表示、虚偽表示で消費者を誘引するようなウソツキ商品は悪い塩だ。あたかも健康によい、ミネラル豊富、自然の力、など語感の良さで訴え、中身は他の塩と変わらないような塩は、詐欺的商法であり悪い塩である。業界自体にも言葉のルールができておらず、曖昧な使い方をしていることを容認してきた問題があり、今後の課題である。
(5) 適正な価格の塩: 表示と重なることが、消費者をごまかして異常に高く売られている塩がある。同じような塩で価格10倍も珍しくない。高いからよい塩だろうという錯覚を与えることもある。異常に高価な塩はユーザーにとってよい塩とはいえない。
(6) ユーザーに理解される塩:上記のようなよい塩の条件が満たされた「よい塩」であっても、その良さ、内容が消費者に周知されていなければ意味をなさない。適切なPRがなされ、消費者に周知されて「よい塩」になる。
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